ストーリー
◆プロローグ
浮遊都市《リベル=アーク》崩壊より半年後──
エレボニア帝国東部、クロイツェン州の中心都市バリアハート。
その郊外にある飛行船発着場に、風変わりな一人の青年の姿があった。
彼の名は、ケビン・グラハム。
七耀教会の神父であると同時に、古代文明の遺産《アーティファクト》の調査・回収・関連事件の処理を行う
《星杯騎士団》に所属する騎士である。
「《ルシタニア号》……
ラインフォルト社が満を持して
世に送り出した豪華飛行客船か。」
「は~、これで任務やなかったら
思う存分、大空のバカンスと
洒落込むところなんやけど。」
各地の貴族や成り上がりの大金持ち。
大枚をはたいて二等客室のチケットを買い求めた市民たち。
──浮き立ちざわめく乗船客に混じって、長いタラップを渡るケビン。
ラインフォルト社製の大型エンジンが重低音を響かせ、全長120アージュの巨船が、ゆっくりと大空に浮かび上がる。
それが──新たなる冒険の始まりだった。
◆キーワード
アルテリア法国
空の女神エイドスを奉じる七耀教会の総本山にあたる都市国家。
ゼムリア大陸の中心部に位置しており、大陸全土から大勢の信徒や宗教関係者が集まる聖地としても知られている。
祭儀全般を監督する『典礼省』、星杯騎士団の上位にある『封聖省』、
都市の防衛を担当する『僧兵庁』など、様々な組織が存在している。
星杯騎士団
危険な力を秘めたアーティファクト(古代文明の遺産)の回収や、
それに関わるあらゆる事件を受け持つ七耀教会の騎士団(秘密部隊)。
所属人員は、正騎士・従騎士合わせて1000人ほどしかおらず、
それらを《守護騎士》と呼ばれる12名の特別な騎士たちが束ねている。
また《メルカバ》と呼ばれる高性能な専用飛行艇を極秘に保有している。
ラインフォルト社
エレボニア帝国に本拠を置く巨大総合技術メーカー。
元々は火薬を使った大砲・重火器の製造を専門に行っていたが、
オーブメントが発明されてからは、導力銃・導力兵器のみならず、導力鉄道や飛行船などの分野にも手を広げ、
カルバード共和国のヴェルヌ社と並んで、世界二大メーカーと称されるまでに成長した。
ルシタニア号
ラインフォルト社が満を持して世に送り出した豪華飛行客船の一隻。
全長120アージュという、リベールの定期船の4倍のサイズを誇るが、
そのぶん運航速度は700CE/h(定期船は900CE/h)と遅くなっている。
船内には大展望室、パーティ会場、カジノルーム、図書室などの施設があり、
パーティ会場では貴族や大金持ちを相手にした仮面舞踏会なども開かれる。
レクルスの方石
浮遊都市《リベル=アーク》崩壊より半年後、王国のヴァレリア湖から引き上げられた謎のアーティファクト。
掌に乗るくらいの大きさの、細かな紋様が刻み込まれた立方体で、
引き上げられた当時は目映く輝いていたが、すぐに力を失ってしまった。